地方とは

単に音楽を奏でるだけでなく、お座敷の雰囲気づくりやコミュニケーションにも深く関わり、宴席を盛り上げる重要な役割を果たしています。

濱長の地方

料亭濱長は、高知の伝統文化を守り伝える老舗料亭であり、土佐芸妓とともにお座敷文化を今に繋いでいます。その中で地方は、三味線や太鼓などの和楽器演奏と唄を担当し、舞踊を引き立てる重要な役割を担っています。

現在、濱長のお座敷で地方として活躍しているのは三味線の田村花枝さん、ただ一人です。彼女は明るく親しみやすい人柄で、宴席での場の盛り上げやお客様との交流にも力を入れています。初めてのお客様でも楽しめる雰囲気づくりを大切にしており、また、地元の良さを広く伝える使命感を持ち、よさこい祭りへの参加など外部のイベントにも積極的に出演して土佐文化の発信にも貢献しています。演奏や唄の技術はもちろんですが、おもてなしの心を込めて、お客様が伝統の文化を身近に感じられるように努めておられます。

田村花枝

彼女は高知県いの町出身の三味線演奏家で、濱長では従業員からお客様まで親しみを込めて"花枝さん"と呼ばれています。

幼少より三味線の音色に親しみ、三味線師範免状を取得後は、舞台公演やラジオ出演など多彩な演奏活動を展開しています。

自身が主宰する「三味線教室めぶき会」では、次世代への三味線文化の継承に力を注ぐほか、高知県内の小学校や高校、教育機関でも指導を行い、地域に根ざした音楽教育を実践しています。

その活動は国内にとどまらず、2015年にはアメリカ・フロリダ州オーランド「JAPAN Festival」、2019年にはドイツ・ハンブルク日本領事館主催「さくら祭り」など、海外の国際交流イベントでも三味線と高知の民謡の魅力を発信。高知新港では海外クルーズ客船の見送り演奏も担当し、県内外の観光イベントやよさこい祭りなどにも多数出演するなど、高知県の観光振興にも大きく貢献しています。

数々の受賞歴も輝かしく、2006年には小唄若手コンクール・小唄部門最優秀若樹賞、2018年には小唄コンクール・ビクター名流小唄祭りにて最優秀の「市丸賞」、2023年には小唄若手コンクール・三味線部門最優秀若樹賞を受賞。

伝統を守りつつも新たな魅力を創造し続ける、今注目の三味線演奏家です。

花枝さんの繊細かつ情熱あふれる三味線の音色を、ぜひ料亭濱長でご堪能ください。